介護職に従事している方や、これから介護業界で働きたいと考えている方の多くが目指す資格の一つに「介護福祉士」があります。
国家資格である介護福祉士は、現場での介護技術や知識を証明できる強力な資格です。
しかし「介護福祉士の資格は本当に取るべき?」「取得するとどんなメリットやデメリットがあるの?」と疑問に思う人も少なくありません。
この記事では、介護福祉士資格の取得に関するメリットとデメリットを詳しく解説し、キャリア形成の判断材料になる情報をわかりやすく紹介します。
介護福祉士とは?資格の概要を理解しよう
介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格であり、専門的な知識と技術をもって高齢者や障がい者の生活支援を行う専門職です。介護の現場で直接的なケアを行うだけでなく、チームの中で指導的な立場を担うことも期待されています。
資格取得のルートは主に「実務経験ルート」「養成校ルート」「福祉系高校ルート」の3つがあります。実務経験ルートでは、介護職として3年以上の実務経験を積み、実務者研修を修了した上で国家試験を受験する必要があります。養成校ルートや高校ルートでも同様に試験が必要であり、合格率は近年60〜70%程度で推移しています。
つまり介護福祉士は、一定の経験や学習を積んだ上で試験に合格しなければならず、誰でも簡単に取れる資格ではありません。その分、取得した際の評価は高く、介護業界でのキャリア形成に大きな影響を与える資格となっています。
介護福祉士資格を取得するメリット

介護福祉士資格には多くのメリットがあります。
ここでは代表的な利点を紹介します。
就職・転職で有利になる
介護福祉士資格を持っていることで、就職や転職で非常に有利になります。介護施設や訪問介護事業所では有資格者を優先して採用する傾向が強く、資格があるだけで応募できる求人の幅が広がります。また、無資格や初任者研修修了者よりも待遇が良いケースが多く、長期的に安定して働ける職場を見つけやすいというメリットがあります。
給与アップにつながる
資格手当がつく事業所が多く、介護福祉士になると月給が数千円〜数万円上がる場合があります。厚生労働省の調査でも、有資格者は無資格者に比べて年収が高い傾向にあることが示されています。また、介護職員処遇改善加算などの制度によって、介護福祉士は優遇されやすく、資格取得が収入面でプラスになるのは大きなメリットです。
キャリアアップの必須条件になる
介護業界でキャリアを広げたい人にとって、介護福祉士は登竜門ともいえる資格です。サービス提供責任者や生活相談員、さらにケアマネジャーへのステップアップを考える場合も、介護福祉士資格が前提条件となることが多くあります。資格を持つことで、将来的に管理職や専門職としての道が開ける点は大きな強みです。
利用者や家族からの信頼が高まる
介護福祉士は国家資格であるため、利用者やその家族から「専門的な知識と技術を持った介護のプロ」として信頼されやすくなります。日常のケアに加えて相談対応やアドバイスを求められる場面も多くなり、現場での存在感が高まります。仕事へのやりがいやモチベーションにも直結するメリットです。
介護福祉士資格を取得するデメリット

一方で、介護福祉士資格にはデメリットも存在します。
資格取得を検討する際には、この点も理解しておく必要があります。
資格取得までの負担が大きい
実務経験や実務者研修を経て国家試験に合格しなければならないため、取得までに時間と費用がかかります。実務者研修には数万円〜十数万円の費用がかかり、さらに国家試験の勉強には多くの時間を要します。働きながら学習を続けるのは容易ではなく、負担が大きいのが現実です。
資格を取っても収入が大幅に増えるとは限らない
介護福祉士資格を取得しても、必ずしも収入が大幅に増えるわけではありません。事業所や地域によっては資格手当が少額であり、期待していたほど給与が変わらないケースもあります。そのため、収入目的だけで資格取得を目指すとギャップを感じる可能性があります。
業務の責任が増える
介護福祉士になると、現場でのリーダー的立場を任されることが多くなります。新人指導や記録業務、家族対応など、責任が重くなる一方で業務量が増えることも珍しくありません。資格を持つことで期待値が高まり、プレッシャーを感じる場面も増えるでしょう。
資格取得後も継続的な学びが必要
介護現場は制度改正や介護技術の進歩に合わせて常に変化しています。資格を取得して終わりではなく、研修や勉強を続ける姿勢が求められます。学び続ける努力が苦手な人にとってはデメリットと感じる部分です。
介護福祉士資格は本当に取るべきか?

介護福祉士資格は、介護業界で長期的に働きたい人やキャリアアップを目指したい人にとっては非常に有用な資格です。一方で「今の仕事に満足している」「責任が増えるのは避けたい」という人にとっては、必ずしも必要ではないかもしれません。
取るべきかどうかの判断は、自分が今後どのように介護業界で働きたいのかによって決まります。将来的にサービス提供責任者やケアマネジャー、管理職を目指すなら資格は必須級ですが、現場で利用者と直接関わる仕事を続けたい人は必ずしも必要ではない場合もあります。
つまり「介護福祉士資格は取るべきか?」という問いには、キャリアプランや働き方の希望を基準に判断するのが正解です。
まとめ

介護福祉士資格には、就職や転職で有利になる、給与が上がる、キャリアアップの必須条件になる、利用者や家族からの信頼が高まるなど多くのメリットがあります。
一方で、取得までに時間や費用の負担が大きく、責任が増えたり収入が期待ほど伸びないといったデメリットも存在します。
結論として、介護業界で長期的に働きたい人やキャリアアップを考える人にとっては取得する価値の高い資格です。
ただし、自分のライフスタイルや将来像に合わせてメリットとデメリットを冷静に比較し、資格取得を検討することが重要です。