介護福祉士は、高齢者や障がい者の生活を支える重要な職業です。
しかし、その勤務先や環境によって、仕事への満足度が異なることもあります。
特に「病院で働く介護福祉士はつまらない」と感じる人も少なくありません。
本記事では、介護福祉士が活躍できる場の種類や、病院で働く場合のデメリットとメリットについて解説します。
これから介護福祉士を目指す方や、転職を考えている方が、自分に合った職場を見つけるための参考にしていただければ幸いです。
介護福祉士は介護施設や病院や訪問介護などの勤務先がある
介護福祉士が働ける場所は幅広く、大きく分けると「介護施設」「病院」「訪問介護」の3つが挙げられます。それぞれの勤務先には、仕事内容や求められるスキル、環境に特徴があります。
介護施設には特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホームなどがあります。これらの施設では、利用者の日常生活の介助を中心に、食事や入浴、排泄のサポートを行います。また、施設内でレクリエーションやリハビリを提供する場面もあり、利用者と深く関わることができます。
一方、病院で働く介護福祉士は、入院患者の生活サポートが主な仕事です。患者の身体介助や病室の清掃、看護師の補助業務を行うことが多く、医療チームの一員として働きます。医療現場ならではの緊張感と責任感が求められるのが特徴です。
訪問介護では、利用者の自宅を訪問して生活をサポートします。こちらは一対一で対応するため、利用者のニーズに合わせた個別対応が求められます。移動が多い仕事ですが、その分、利用者との信頼関係を築きやすい環境でもあります。
これらの勤務先の違いを理解し、自分の目指す介護福祉士像やライフスタイルに合った職場を選ぶことが重要です。
病院の介護福祉士がつまらない理由
病院の介護福祉士がつまらないと言われる理由は下記のようなものがあります。
- 介護施設より給料が低い（介護保険の処遇改善加算がない）
- 資格がある人とない人の業務が同じ
- 看護師やリハビリ専門職など医療職より立場が低い感じになる
- 雑務が多い
- 介護施設と比較して自分で考えて行動できない
一つずつ紹介していきます。
介護施設より給料が低い（介護保険の処遇改善加算がない）
介護施設では「処遇改善加算」が適用されることが多く、これにより介護職員の給与が一定水準上乗せされます。一方、病院では介護保険が適用されないため、この加算が受けられない場合が多いのが現状です。そのため、同じ介護福祉士として働いていても、介護施設と病院で給料に差が生じることがあります。この差は働くモチベーションにも影響を与え、「病院の仕事は割に合わない」と感じる要因の一つとなっています。
資格がある人とない人の業務が同じ
病院では、資格を持つ介護福祉士と、資格を持たない介護助手が同じような業務を任されるケースが多いと言われています。例えば、患者の移動補助やベッドメイキングなど、資格が必要ない業務が中心になる場合があります。その結果、資格を取得したことによるスキルや知識が活かされにくく、やりがいや達成感を感じにくい状況に陥ることがあります。
看護師やリハビリ専門職など医療職より立場が低い感じになる
病院では、医師や看護師、リハビリ専門職が中心となって医療を提供します。その中で、介護福祉士がサポート的な役割を担うことが多く、相対的に立場が低いと感じることがあります。これは職場の文化や組織体制によるものであり、全ての病院がそうとは限りませんが、仕事に対する意欲が削がれる要因になり得ます。
雑務が多い
病院では、患者のケアだけでなく、物品の管理や清掃、時には書類整理などの雑務も任されることがあります。これらの業務は直接的な介護スキルとは関係がないため、「自分の専門性が活かされていない」と感じる介護福祉士も多いようです。
介護施設と比較して自分で考えて行動できない
病院では、業務内容や手順が厳密に定められている場合が多く、自分の判断で行動できる余地が限られることがあります。これは医療の現場での安全性を重視するために必要なことですが、介護施設のように利用者に合わせた柔軟な対応が求められる環境とは異なります。そのため、「ルールに縛られて仕事がつまらない」と感じる人もいます。
病院の介護福祉士のメリット
病院の介護福祉士のメリットは以下のようなものがあります。
- 大きな病院の場合は福利厚生が充実していることもある
- 医療系の知識が増える
- 医療従事者が多いため安心できる
- 医療従事者との出会いがある
それぞれについて説明します。
大きな病院の場合は福利厚生が充実していることもある
病院では、特に大規模な施設の場合、福利厚生が充実していることが多いです。例えば、職員寮や育児支援制度、研修や資格取得の補助などが挙げられます。これらの福利厚生は長期的に働く上での安心感につながり、他の職場にはない魅力とも言えます。
医療系の知識が増える
病院では、医療従事者と日々接する中で、医療に関する知識が自然と身につきます。患者の状態観察や医療用語、簡単な医療機器の操作方法など、介護施設では得られない経験を積むことができます。これらの知識は介護福祉士としてのスキルアップにも役立ちます。
医療従事者が多いため安心できる
病院では、看護師や医師が常駐しているため、緊急時にも迅速に対応できる環境が整っています。これは介護福祉士にとっても心強く、安心して業務に取り組むことができます。
医療従事者との出会いがある
病院では、多職種の医療従事者と日々協力しながら働くため、幅広い人脈を築けるチャンスがあります。医療業界に興味がある場合や、将来的に新たなキャリアを模索する際にも、こうした出会いが役立つことがあります。
介護福祉士の資格がある場合は介護保険下の職場の方が給料は良い
介護福祉士としての資格を活かし、給料面での優遇を求めるなら、介護保険下の施設で働くことを検討するのがおすすめです。
特に、処遇改善加算が適用される介護施設では、資格を持つことのメリットが明確に反映されます。
資格取得にかけた時間や労力を無駄にせず、しっかりと収入に反映させたい場合は、施設や訪問介護での勤務を選択するのも一つの方法です。
自分に合った職場を選んで就職や転職をしよう！
介護福祉士の仕事は勤務先によって大きく異なり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
自分に合った職場を選ぶためには、勤務環境や給与、やりがいなどを総合的に考慮することが大切です。
転職や就職を検討する際は、自分の目標やライフスタイルに合わせて慎重に選択し、長く満足して働ける職場を見つけてください。
