介護業界は多岐にわたる職種があり、それぞれの役割が地域や利用者の生活を支えています。
高齢化が進む現代社会では、介護の需要はますます高まっており、これに伴い介護職への関心も増えています。
しかし、「介護職」と一口に言っても、その内容は多種多様です。
利用者の身体介助を中心に行う職種から、相談業務や管理業務を担当する職種まで幅広く存在します。
この記事では、介護職を目指す方や転職を考えている方に向けて、介護職の種類やその仕事内容を詳しく解説します。
自分のスキルや興味に合った仕事を見つけるための参考にしてください。
介護の仕事を色々ある
介護職は、利用者一人ひとりの生活を支える重要な役割を担っていますが、その仕事内容や必要なスキルは職種によって異なります。例えば、直接利用者の身体介助を行う介護職もあれば、利用者やその家族と面談を行い、必要な支援を計画する職種もあります。
また、訪問介護や施設介護など、働く環境もさまざまです。訪問介護では利用者の自宅に訪問して支援を行うのに対し、施設介護では特定の施設内で利用者の日常生活をサポートします。さらに、夜勤専従スタッフや介護事務など、特定の時間帯や業務内容に特化した職種もあります。
これから紹介する27種類の介護職を通じて、あなたに合った職種を見つけるヒントにしてください。
介護職の種類を27つ紹介（仕事内容や特徴など）
介護職の種類を紹介します。
介護福祉士
介護福祉士は、介護の現場におけるスペシャリストであり、国家資格を持つ職種です。身体介助や生活支援だけでなく、介護計画の作成や他職種との連携も担当します。また、新人職員の教育や家族への相談対応も重要な業務です。資格取得には実務経験や試験合格が必要ですが、その分、高い専門性が評価され、給与面やキャリアの安定が期待できます。
ホームヘルパー（訪問介護員）
ホームヘルパーは、利用者の自宅を訪問し、身体介助や生活援助を行う職種です。調理や洗濯などの日常生活支援に加え、排泄介助や入浴介助なども担当します。利用者との1対1の関係性を築ける点が特徴で、信頼関係を深めながらケアを行います。また、比較的短い研修期間で始められるため、介護業界への入り口としても人気のある職種です。
ケアマネージャー（介護支援専門員）
ケアマネージャーは、利用者とその家族の状況に合わせて、適切な介護サービスを計画・調整する専門職です。介護保険の仕組みを熟知し、サービス提供事業者や医療機関との連携を担います。利用者のニーズに応じたケアプランを立案するため、介護現場の経験に基づく実務能力やコミュニケーションスキルが求められます。介護の現場と行政を繋ぐ重要な役割を担っています。
生活相談員
生活相談員は、介護施設や地域窓口で、利用者や家族からの相談に対応する職種です。介護サービスの利用方法や制度の説明を行い、適切なアドバイスを提供します。また、利用者やその家族の心理的なサポートも含まれ、対人スキルが特に重要です。施設内外のスタッフや地域社会との調整役としても活躍し、多岐にわたる業務をこなすことが求められます。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員は、利用者に合った福祉用具を提案し、その使用方法を指導する専門職です。車椅子や介護ベッド、歩行器など、利用者の生活の質を向上させる用具を扱います。用具の選定は、利用者の身体状況や生活環境を考慮した高度な判断力が求められます。利用者に直接影響を与える重要な役割を担い、製品のメンテナンスや説明も丁寧に行います。
介護職員（無資格・初任者研修修了者）
無資格から始められる介護職員は、介護業界への入り口として多くの人に選ばれる職種です。仕事内容は、施設内での食事介助や排泄介助、簡単な生活支援など、基礎的な介護業務が中心です。資格がなくても働きながら経験を積むことで、初任者研修や実務者研修を経て介護福祉士などの資格を取得し、キャリアアップを目指すことが可能です。
認知症介護専門士
認知症介護専門士は、認知症の特性を理解し、適切なケアを提供する専門職です。認知症ケアの知識や技術を用いて、利用者の安心感を高め、生活の質を向上させる支援を行います。また、家族へのサポートやアドバイスも担当し、認知症を抱える利用者を中心とした包括的なケアを提供します。専門的な研修や資格取得が必要です。
介護助手
介護助手は、介護現場で資格や経験がなくても働ける職種です。主に清掃やシーツ交換、備品の補充など、介護職員を補佐する業務を行います。直接的な身体介護は担当しませんが、業務の円滑な運営を支える重要な存在です。介護業界への第一歩として選ばれることが多く、働きながら資格取得を目指す方にも適しています。
サービス提供責任者（サ責）
サービス提供責任者は、訪問介護事業所において、ヘルパーの業務を管理・調整するリーダー的な役割を担います。利用者の状況に応じた支援計画を立案し、サービスの質を確保する責任を負います。訪問介護の現場で得た経験や知識が必要で、コミュニケーション能力とリーダーシップが求められる職種です。
介護タクシードライバー
介護タクシードライバーは、高齢者や身体の不自由な方を安全に目的地まで送り届ける専門職です。主に車椅子を使用している利用者や通院が必要な方を対象とした移動サービスを提供します。運転技術に加え、乗降時の身体介助や利用者への配慮が求められます。介護タクシードライバーには二種免許と介護の基本的な知識が必要ですが、利用者から直接感謝されるやりがいの大きい職種です。
夜勤専従スタッフ
夜勤専従スタッフは、介護施設や病院で夜間に勤務し、利用者の見守りや緊急対応を行う職種です。夜間の静かな時間帯でも利用者の安全を確保するため、細やかな注意力と状況判断力が求められます。また、排泄介助や体位交換といった夜間特有の業務も担当します。昼間と比べて勤務時間は限られますが、その分、夜勤手当が付くため、収入面でもメリットのある働き方です。
看護小規模多機能型居宅介護スタッフ
看護小規模多機能型居宅介護スタッフは、訪問看護とデイサービス、ショートステイを組み合わせた柔軟なサービスを提供する職種です。利用者の生活状況や健康状態に合わせて、日中のケアから夜間のサポートまで多岐にわたる業務を担当します。利用者一人ひとりに寄り添った支援が可能で、医療知識や介護技術を活かして、包括的なケアを実現します。
グループホームスタッフ
グループホームスタッフは、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送る施設で働く職種です。食事や入浴、排泄介助などの基本的な介護業務に加え、レクリエーションの企画や利用者とのコミュニケーションも重要な業務です。家庭的な雰囲気の中で利用者一人ひとりに寄り添い、安心感を提供する役割を担います。利用者との距離が近く、深い信頼関係を築ける点が魅力です。
デイサービススタッフ
デイサービススタッフは、日中に施設を訪れる高齢者を対象に、さまざまな介護サービスを提供する職種です。主な業務は、食事や入浴の介助、リハビリやレクリエーションのサポートです。また、利用者が楽しく過ごせるように、明るい雰囲気を作り出すことも重要な役割です。日帰りサービスのため、夜勤がなく働きやすい環境が整っている点も特徴です。
ショートステイスタッフ
ショートステイスタッフは、家族の介護負担を軽減するために短期間施設を利用する高齢者をサポートします。利用者が安心して過ごせるよう、食事や入浴、夜間の見守りなど、個々のニーズに応じたケアを提供します。短期間ながらも利用者の生活をしっかりと支えるため、柔軟な対応力と丁寧なコミュニケーションが求められる職種です。
特別養護老人ホーム（特養）スタッフ
特別養護老人ホームのスタッフは、常時介護が必要な高齢者を支えるため、身体介助や生活支援を行います。利用者の介護度が高いため、専門的な知識と技術が求められる職種です。日常のケアに加え、利用者の心理的なケアや家族との連携も重要な役割となります。重度の介護が必要な方と深く関わるため、やりがいを感じやすい職場です。
介護老人保健施設（老健）スタッフ
介護老人保健施設のスタッフは、リハビリを中心とした介護サービスを提供します。利用者が自宅に戻れるように、医師やリハビリスタッフと連携し、身体機能の回復を支援します。また、利用者の生活支援や心理的なケアも担当します。医療と介護の両方に携わるため、専門性が高く、幅広い知識とスキルを身につけられる職場です。
小規模多機能型居宅介護スタッフ
小規模多機能型居宅介護スタッフは、通い・泊まり・訪問のサービスを柔軟に組み合わせて提供する職種です。利用者のニーズに応じて、自宅での支援や施設でのケアを行います。利用者一人ひとりの生活スタイルに合わせたサービスを提供するため、包括的な介護技術とコミュニケーション能力が求められます。地域密着型のケアができる点も特徴です。
施設長・管理者
施設長や管理者は、介護施設全体の運営を担う重要な役職です。施設の方針を策定し、スタッフの管理や教育、利用者やその家族への対応を行います。また、予算管理や行政との調整など、経営面での責任も負います。現場を統括する立場として、幅広い視野とリーダーシップが必要です。利用者の満足度やスタッフの働きやすさを向上させるための施策を実行するなど、やりがいの大きい役割です。
リーダー・主任クラスの介護職
リーダーや主任クラスの介護職は、現場の中心的な存在としてチームをまとめ、業務の調整や新人教育を担当します。日常の介護業務だけでなく、スタッフ間の連携を促進し、効率的なケアの提供を支える役割を果たします。利用者やその家族と直接関わることも多く、介護スキルだけでなく高いコミュニケーション能力やリーダーシップが求められます。
社会福祉士
社会福祉士は、利用者やその家族が抱えるさまざまな生活課題について相談支援を行う専門職です。介護施設だけでなく病院や行政機関などでも活躍し、福祉サービスの利用調整や権利擁護を行います。利用者が地域で安心して生活できるよう、行政や医療機関と連携しながら適切なサポートを提供します。高度な知識と倫理観が求められる職種です。
児童指導員
児童指導員は、児童福祉施設で生活する子どもたちを支援する職種です。高齢者介護とは異なりますが、福祉業界の一環として重要な役割を担います。生活指導や学習支援を行い、子どもの成長をサポートします。また、子どもが安心して生活できる環境作りを通じて、将来の自立を促します。福祉や教育の知識を活かした仕事がしたい人に向いています。
訪問入浴スタッフ
訪問入浴スタッフは、自宅で入浴が困難な利用者のために、専用の移動式浴槽を使って入浴介助を行う職種です。チームで訪問し、衛生管理や利用者の身体状況の確認を行いながら、安全で快適な入浴を提供します。高齢者や要介護者にとってリラックスできる時間を作り出すため、利用者や家族から感謝される機会が多い職種です。
介護事務
介護事務は、介護施設や事業所で介護報酬の請求や利用者データの管理を行う専門職です。現場の介護業務とは異なり、パソコンを使った事務作業が中心となります。請求業務には介護保険の知識が求められるため、専門性の高い職種です。介護の現場を間接的に支えたい方や事務スキルを活かしたい方におすすめの職種です。
リハビリ介護職員
リハビリ介護職員は、理学療法士や作業療法士と協力して、利用者の身体機能や日常生活動作の回復を支援する職種です。利用者が自立した生活を送れるよう、個々の目標に合わせたサポートを行います。リハビリに関する知識と介護スキルを兼ね備えることで、利用者の生活の質向上に貢献できるやりがいのある仕事です。
精神保健福祉士（PSW）
精神保健福祉士は、精神的な問題を抱える利用者やその家族に対して、相談や支援を行う専門職です。利用者が地域で安心して生活できるよう、医療機関や福祉施設と連携し、適切なサービスを提案します。また、就労支援や社会復帰を目的としたサポートも行います。精神保健分野の専門知識が必要で、利用者の生活を包括的に支える重要な役割を担います。
自分に合った介護職を見つけて就職＆転職をしよう！
介護職は、仕事内容や働く環境が多様であるため、自分に合った職種を選ぶことが大切です。まずは、自分の興味やスキルを棚卸しし、どのような支援がしたいのかを明確にしましょう。また、資格取得を目指すことで、キャリアの幅が広がります。
この記事で紹介した27種類の介護職を参考に、自分の希望や適性に合った仕事を見つけてみてください。そして、充実したキャリアを築くために、まずは一歩を踏み出しましょう！
